REPORT

AIを“自分ごと”に

「THINK AI in Fukui」の今年度最終回となるワークショップDAY3は9月27日、福井新聞社・風の森ホールで開かれました。県内企業10 社の若手社員や学生ら約30人が、7月から毎月1回実施してきたワークショップの集大成として、チームごとに練り上げた「AIプロジェクト」を発表しました。AI活用のコツである“課題ファースト”をしっかり実践。各社、各チームが、解決すべき課題を掲げ、どの部分がAIで効率化できるか、筋道を立てながら説明していました。メンター陣からのフィードバックでプロジェクトの中身もぐっと深まり、自社でのAI活用に向け意欲を新たにしました。

  DAY3は(株)レッジ、(株)電通、(株)電通国際情報サービスから計7名のメンターにお越しいただきました。

◆DAY3メンター陣◆
レッジ:飯野希氏(Ledge.ai編集長)
レッジ:小出拓也氏
レッジ:大久保裕次郎氏
電通:児玉拓也氏(AI MIRAI統括/AIビジネスプランナー)
電通:福田宏幸氏(AI MIRAI/データ・テクノロジー・センター AIソリューション部)
電通国際情報サービス:飯野純也氏
電通国際情報サービス:稲村博央氏(早稲田大学Global Education Center 非常勤講師)



 この日は、ついに3回1クールのワークショップ最終回。DAY1、2はインプットが多めのプログラムでしたが、DAY3では講義やワークで学んだ成果を披露するアウトプットがメインで、参加者たちはどことなく緊張した面持ちで会場入り。各社のAI人材としての自覚とAIプロジェクトを成功へ導く意気込みが感じられました。

 参加者には、メンター陣が用意した「わが社のAIプロジェクトシート」を埋めていく形で、事前に発表の準備をしてきてもらいました。このシートは、記入すると、AIプロジェクトのスタート地点に立つまでに押さえておくべきポイントが整理できるというもの。▽解決すべき課題は何か▽何ができると課題が解決するのか▽必要なデータの種類▽自然言語処理や画像分析などどの分野の技術を活用するか-といった七つの項目で構成されています。


各社、各チームが「AIプロジェクト」を発表したTHINK AI in Fukui ワークショップDAY3

 

集大成発表

 はじめに三つのテーブルごとにグループ内で発表し、その後、各テーブルを代表して3チームに全体発表してもらいました。


グループでAIプロジェクトを発表する参加者

 

 どのようなプロジェクトが発表されたかというと、一つは、営業担当者の商品配送ルートを担当者の勘と経験に頼るのではなく、AIで最適なルートを分析することで移動時間を削減するアイデア。それにより削減した時間を別の仕事にあてて業務効率化を図ったり、残業時間を減らしたりするという案でした。過去の売り上げデータや営業担当者の日報をAIに学習させ、配送にかかる時間を予測。精度を上げるために、どういったデータを活用すればよいか、社内や社外にあるデータで活用できるものがあるかについてもリサーチされていました。
 他にも、キャリアの長い社員の勘と経験に頼っているお米の相場予測に、過去の相場価格や気温・降水量・日照時間、在庫状況などのデータを活用し、売り時買い時を見極めるアイデアや、社内のチャットツールの会話内容をデータ化して顧客対応に応用するといった案など、綿密に考え上げられたプロジェクトばかり。誰が、いつ、どのような形でAIを利用するか、どういった体制でプロジェクトを進めるかなど実際にビジネスへ投入するスキームについても想定されており、現実味のあるプロジェクトが多くありました。メンター陣は「明日すぐにでも実行できるものもある。とてもクオリティーが高く驚いている」と目を丸くしていました。


AIプロジェクトを全体発表する参加者

 

とにかくやってみること

 発表後、レッジの飯野氏がAIの今後について講義しました。その中で「AIは実際に試してみないとどれくらいの精度が出るかわからない。だからこそ、とにかくやってみることが大切」と強調。「AIそのものは難しい技術だが、プログラミングなしでもトライできるツールが出てきている。自分でできることに気付けるか気付けないかが大きな差になる」と訴えました。また、小さく成功体験を重ねていくことがAI活用のコツと説明しました。


AIの今後と展望についての講義

 

 3日間のワークショップを振り返り、参加者からは「AIは意外と身近なものだと気付けた」「AIを通して、会社の課題を改めて考え直すことができ、とてもいい経験になった。これからは行動に移していきたい」などの感想が聞かれました。

 ワークショップ終了後には、一般参加者約80人が加わり、オープントークイベントの「AI TALK NIGHT in Fukui」が開かれました。名だたる企業が参加してAIに関する最新の情報を提供するイベントで、東京ではお馴染みとなっていますが、地方で開かれたのは福井が初ということでした。日本ディープラーニング協会事務局長の岡田隆太朗氏の講演や「地方とテクノロジーの可能性」をテーマにしたパネルディスカッションがあり、盛況のうちに幕を閉じました。


地方とテクノロジーの可能性を探ったAI TALK NIGHT in Fukui

 

おわりに

 「THINK AI in fukui」のプロジェクトテーマは「AI活用の“発想”から『どう実現していくか』の“実装”までをつなぐ人材育成を目指す」ことでした。言い換えれば、もはや社会で当たり前になっているAIを自分ごととして考えてもらうことでもあります。AI活用はここからがスタートだと思います。当プロジェクトに参加いただいた企業、学生の皆様にはAI人材として一過性にとどまらない成果を追求し続けていただきたいと切に願っております。そして、最新の知見や、AIを使ってみることへの勇気をくれたメンターの皆様、この場を借りて感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。

またお会いしましょう。

 

DAY3当日の様子↓↓